『Chris Dave and the Drumhedz』豪華なゲストと絡むGrooveのあるドラムが最高

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ヒップホップシーン最高のドラマーと行っても過言ではないでしょう。ヒューストン出身のスーパードラマー・Chris Daveが、自身のバンド「Chris Dave and the Drumhedz」名義のアルバムをブルーノートからリリースしました。

Chris Daveのグルーヴィーなドラムはもちろん、プロデューサーとしての曲自体の良さ、総勢50名という豪華な参加アーティスト含め、素晴らしいアルバムで気に入って聴いております。HIPHOP好き、JAZZ好き、ブラックミュージック好きにおすすめです。

D’ANGELOやRobert Glasperのバンドにも参加するスーパードラマー

Chris Daveといえば、業界でも引っ張りだこのドラマーです。『D’Angelo And The Vanguard / Black Messiah』やRobert Glasper Experimentの初代ドラマーとして、『Robert Glasper / Black Radio』にも参加しています。他にもHIPHOP勢、JAZZ勢問わず色んなアーティストの作品に参加している本物のスーパードラマーですね。

我らが宇多田ヒカルの最近のシングル「大空で抱きしめて」や「あなた」も、なんとChris Daveがドラムを叩いています。「あなた」ではChris DaveもPV出演していますね。宇多田ヒカルまじですげぇなぁ、と思う同時にやっぱりすごいクオリティで音楽作ってるんやなぁと改めてRespect。

Chris Daveのドラムはキレキレのドラムワークと、grooveがありつつもレイドバックしたようなノリが特徴です。まさにJ Dillaが作るビートをリアルにドラムで叩いてるような気持ち良さとカッコ良さ。ビートの独特のズレや間もドラムで再現してしまってます。どんなリズム感で叩いてるのか、もうさっぱりです。

これ見てもらえばわかると思うんですが、もうすんごいことになってます。早送りしてるみたい。はちゃめちゃに早く叩いてるけどどこかに遊びやgrooveを感じれるし、1つ1つの音の跳ね方がまたやばいですね。

私は、タイコクラブのRobert Glasper Experimentと、D’ANGELOのBLACK MESSIAHリリース後のワンマンLiveでChris Daveのドラムを生で聴きましたが、まぁカッコ良かったです。ここまで存在感のあるドラムってあるんやってびっくりさせられました。

音の鳴りの良さとか切れ味みたいなのも最高ですし、ドラムを叩いてる姿もめちゃくちゃカッコ良いんですよ。踊るように叩くというか、全身でgrooveを感じながら、そのgrooveに乗っかってさらにgrooveを生み出す。その過程を全身から発しつつ音で具現化する、みたいな。とにかく圧倒されました。

Chris Daveのドラムは生のLiveで1度は見るべきかと思います。全力でおすすめです。生のChris Daveのドラムを見る前と後とでは、音源の聴こえ方も違ってくるかと。機会があれば是非。

最高のドラム × 豪華ミュージシャン

Chris Dave and the Drumhedzのアルバムは、総勢50名のミュージシャンが参加していて、そのラインナップもめちゃくちゃに豪華です。D’Angelo And The Vanguardのバンドメンバーであるベースのピノ・パラディーノ、ギターのアイザイア・シャーキーや、ロバート・グラスパー、さらにDJ Jazzy Jeff等々、他にも凄腕のミュージシャンが集まっているようです。現在のミュージックシーンの最前線で活躍しているミュージシャンたちが、ここでは「ドラムヘッズ」としてChiris Daveのバンドに参加しています。

客演も、常に客演が絶えない「Anderson .Paak」、リアルなアーティストの作品には常に呼ばれている印象の「Bilal」、ディラが所属していたSlum Villageのラッパー「Elzhi」、TDEの「SiR」など、ベテランから中堅、新人まで幅広いアーティスが参加しています。

Kendrick Lamarが所属するTDEのシンガーSiRは最多の3曲で客演していて、ほぼ同時期にリリースしたSiRのアルバムと並行して聴けたのも私的にすごく良かったです。ちなみにSiRのアルバム「November」も上質で素晴らしいR&Bアルバムでした。

アルバムの内容は、Chris Daveのキレのある小気味の良いドラムが全体にしっかり立ちつつも、参加ミュージシャン、客演のシンガーやラッパーとの調和も素晴らしい内容です。

アルバムの中で特に耳に残る曲が、「Black Hole ft. Anderson .Paak」。イントロから盛り上がりのある爽快感のあるトラックで、Anderson .Paakの歌うようなラップとフックがgood。Chris Daveの正確なドラムの下敷きが気持ち良い。

Anderson .Paakが客演に入るだけで、一気に今っぽい曲になりますよね。どの作品でもそう。ホントすごい。もう1つの参加曲「Clear View feat. Anderson .Paak & SiR」では、『NxWorries – Suede』っぽいフロウ・ラインもあって耳をピクピクっとさせられました。

そして、序盤はFUNKYな曲が多い中、終盤の「Job Well Done ft. Anna Wise, SiR」もアルバムを通して聴く中で印象に残る曲だと思います。

『Kendrick Lamar / To Pimp A Butterfly』にも参加していたシンガーのAnna WiseとSiRの心地よい歌、曲のド真中をゆっくり走るChris Daveの乾いたスネアとボリューム大き目で進行するベースがたまらんです。ゆっくり体を揺らしましょう。

インストの曲で見せる早叩きやgroove感満点のドラムはもちろん、歌ものでのスロウに叩きつつも乾きまくり後味ゼロのスネアの音での存在感の放ち方は圧巻です。また、「Destiny N Stereo feat. Elzhi, Phonte Coleman & Eric Roberson」など、ラップがしっかり入る曲の絶妙なハイハットの鳴らし方やカッコ良さもさすがだなと。

そして、プロデューサーとしてのChris Daveの素晴らしさも分かるアルバムだと思います。HIPHOP・JAZZ・FUNK・SOULなどブラックミュージックをパンパンに詰め込んだような豊かなサウンドばかりで、数々のバンドに参加してきたChris Daveならではのプロデュースだなと。

ホーンセクションやピアノやオルガンなどの鍵盤系の挿入され方も絶妙にカッコ良く、曲によってはドラムの音にもエフェクトをかけていたり、アイデアだらけのアルバムで曲数以上にボリューム感を感じました。

「Chris Dave and the Drumhedz」は時代を問わず聴けるアルバムだと思います。

あと、最近たまたま見たシンバルの大きさや重さ・加工の違いで、どれだけ音に違いがあるのかが分かる動画を貼っておきます。ドラムを叩けない私が偉そうにレビューしましたので、私では絶対に語れないドラム奥深さの参考になればと。

Chris Dave and the Drumhedz / Chris Dave and the Drumhedz

Chris Dave and the Drumhedz

  1. Rocks Crying
  2. Universal Language
  3. Dat Feelin’ feat. SiR
  4. Black Hole feat. Anderson .Paak
  5. 2n1
  6. Spread Her Wings feat. Bilal & Tweet
  7. Whatever
  8. Sensitive Granite feat. Kendra Foster
  9. Cosmic Intercourse feat. Stokley Williams
  10. Atlanta Texas feat. Goapele
  11. Destiny n Stereo feat. Elzhi Phonte Coleman & Eric Roberson
  12. Clear View feat. Anderson .Paak & SiR
  13. Job Well Done feat. Anna Wise & SiR
  14. Lady Jane
  15. Trippy Tipsy
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