ハードな家庭環境、暴力,強盗,武器所有で3度の逮捕、キャリアのほとんどが刑務所。恐ろしくハードなバックグラウンドを持っていて、何かとヤンチャと噂のフロリダ出身の19歳のラッパー。
XXXTENTACION (エックス・テンタシオン)のデビューアルバム「17」を最近よく聞いております。
Drakeもパクった?!「Look At Me!」で大ブレークの19歳
Drakeがそのフローをパクったことで軽いビーフ状態になった話題の曲「Look At Me!」でいっきに名前を知るようになりました。
「Look At Me!」のPVでもわかるように、だいぶ尖ったイケイケヤングなXXXTENTACION 。
和訳されているのを調べればわかりますが、めちゃくちゃゆってます。もうゲスの極みみたいな内容です。笑けます。とにかく主張が強そう、Atittude。
HIPHOPというよりはパンク、ヤンキーというよりはサイコパス。悪く言えばぶっ飛んだ中二病感が否めない、なんとなく不安定で危うい印象を受けます。
幅広過ぎる楽曲と見えて透けないルーツ
XXXTENTACION のおもしろいところは、出す楽曲楽曲、トラックもラップの仕方も毎回全然違うんですね。すごい幅を見せてきよるんです。
「Look At Me!」が収録されている「Revange」というミックステープを聞いてもらうとわかるんですが、何でもアリなんです。
ボーカルトラックの甘めのものから、EDMっぽいダンサブルなもの、ちょっとスロウなもの、と思ったらハードコアよろしくなドラムドカドカなもの、からのピアノループ、で最後2曲は「Keith Ape / It G Ma」みたいなウネリまくりのベース、めちゃくちゃにノイジーなトラックでシャウトしまくりのラップ。
本当に何でもアリ。幅がまぁ広い。
ただ、全曲しっかり作られててカッコイイ。取って付けたような安っぽい幅の広さではない、本物のカッコ良さ。聴けば聴くほどカッコイイんです。
19歳でどういう音楽をどういうルートを辿って聴いたらこうなるのか。それともルーツもクソもない、今まで聴いてきた音楽を感覚のままに全部ヤッタれ、的な感じなのか。
私にはどちらかというと、後者の勢いで作った感みたいなものを感じたし、洗練されきっていない印象を受けました。
でも、反射神経が良いんだろうな、と。良い音楽をすぐに自分の中で処理してすぐに自分で表現できるんでしょうね。
勝手な予想ですが、そんな勘ぐりのような予想までさせれてしまってます。この19歳、困り者です。
Kendrick Lamarも絶賛の「XXXTENTACION / 17」
そんな活動の流れからドロップされた17 [Explicit]」。
みんなのスーパースターKendrick Lamarも絶賛してるとの情報もキャッチ。
https://t.co/ovjuQN8weO listen to this album if you feel anything. raw thoughts. https://t.co/ovjuQN8weO
— Kendrick Lamar (@kendricklamar) 2017年8月26日
5th listen.
— Kendrick Lamar (@kendricklamar) 2017年8月26日
「めっちゃええから、みんな聴けや」と。「おれは5回聴いたでー」と。これは心して聴きましょう。
「Revange」の印象があるだけにどんなアルバムになんだと。
このデビューアルバムの「17」はまさかのほぼ全曲アコースティックな歌モノのアルバムでした。またまたスカして転がされた感じ。「Revange」とも全然違うやん。
けどもう、そういう今までの印象とか予想はどうでも良いです。全曲素晴らしい曲ばかりでした。
で、いちいちおもしろいなっと思わされたのが、1曲2分前後の曲ばっかりで全編でたったの22分のみなとこ。どういう意図なのか、意図があるのかすらわかりませんが、何かと含みを持たせてくる。
実際に聴き終わった時、アレ?もう終わりってなりました。ちょっと物足りない?という感覚。
で、その物足りなさから、とりあえず2連続でアルバム丸ごと再生。2回目も全然フレッシュ。というより、2回目でより完成度の高さとか、1曲1曲の映え方が際立ってくるような印象でした。この長さがちょうど良いのかも。
いわゆる「捨て曲無し」ではないでしょうか。ノックアウトです。
最近出てくる若いラッパーはみんな自由というか、各々のHIPHOPを好きにやってるイメージが強くて新世代感がすごいですね。
この「XXXTENTACION / 17」なんか、これだけ聴いたらもはやHIPHOPなのかさえもわからない気がしております。というか、彼らからすればそういうオジさん達の議論が不毛なんでしょうね(最近よく耳にする「HIPHOP老害」の第一コーナーに自分も少し差し掛かってる気が)。
次はどんな角度でくるのか、もっとオジさん達を楽しませて殺しておくれ。