アルバム「Mr Finish Line」をリリースした「Vulfpeck」が良い

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LAのミニマルファンクバンド「Vulfpeck」のサードアルバム「Mr Finish Line」、非常に素晴らしいアルバムですでに10回転ぐらい聴いてます。
しっかりした音楽性と心地よいPOPさが最高で、万人におすすめできる、是非色んな人に聴いて欲しいアルバムです。

Vulfpeckについてと、Mr Finish Lineのレビューを少々。

ミニマルファンクというジャンルがしっくり

初見はミニマルファンクバンドってどんなジャンルやねん、どないやっちゅーねんって感じでしたが、音楽を聴くとミニマルファンクというジャンルが妙にしっくりきました。すごくちょうど良いんですよね。音楽ゴリゴリ、Funkゴリゴリではなく、もっと取っつきやすい。良い意味でミニマル。

Funkバンドだけあって基本的に演奏はカッコ良いし、音楽性もすんごいしっかりしてます。そこの安心感は土台にしっかりとあります。で、その土台のFunkに常に程よいPOPさが加わってて、心地良い音楽として丸くまとまってる感じ。Funkでありつつ、Funkの角は良い感じに取れてるような。AORっぽい雰囲気とか、フュージョンっぽい曲とか、ソウルフルな曲とか、全部うまく内包してくれてます。

バンドのノリもLAらしい西海岸らしいピースフルなハッピーさを全体に感じるから、聴いているだけでなんか楽しくなってきます。アーティスト自身が音楽を楽しんでいる、自然体で好きにやってるっていうノリ。

こういうスタイルってどのジャンルにおいても、今の時代にすごい需要がある気がします。Chance the Rapperにも共通するような、もっとシンプルに考えてHappyに行こうぜ、ってノリ。ハッ、とさせられます。ハッ。

私は、今回の「Mr Finish Line」で存在を知ったのですが、1年前にリリースされてたセカンドアルバムの「The Beautiful Game(ザ・ビューティフル・ゲーム)」から注目され初めてたよう。

全然checkしてなかった・・・。「The Beautiful Game」も聴きましたが、よりFunkyでノリの良い素晴らしいアルバムでした。

セカンドとサードで全く雰囲気の違うアルバムなので、両方聴くことでよりVulfpeckの音楽性が理解できるかと。

わしはやっぱFunkが好っきゃねん、てイケイケなあなたはセカンドが良いかも。個人的には今回のサードの「Mr Finish Line」が好きです。

Spotify事件から感じる絶妙なふざけ具合

ファンの間では有名なようですが、Spotify事件ってのがもう最高なんです。アルバムを聴いてから知ったんですが、このSpotify事件でVulfpeckというバンドをより理解できた気がします。

音楽配信サービスでおなじみのSpotifyですが、そのシステムは再生回数に応じてアーティストに印税が支払われるそうなんですね。で、その印税は1曲再生ごとに0.2円もないそう。アルバムまるごと再生しても5円前後。なかなかの途方のなさですよね。

たったそれだけかよ、と。これじゃツアーの資金を捻出できねーだろ、と。じゃあやってやろーじゃねーかよ、と。

そしてVulfpeckの取った対抗策が、1曲30秒ほどのほぼ無音の曲10曲のアルバム「Sleepify」の配信。これをファンに、「ツアーにまわりたいから寝ている間に無限に再生し続けてくれ」と呼びかけたわけです。

アルバム1再生で300秒(5分)、8時間寝たらアルバム96回再生の計算、合計960曲分の再生が発生。これをVulfpeckのファン全員がすれば・・・。結果、このアルバム「Sleepify」でVulfpeckは200万円稼いで、Sleepify Tourと称したツアーを行ったようです。

最高にユーモアが効いた発想ですよね。システムに対するアンチ精神と絶妙なふざけ具合。笑えるけどカッコ良い。

ちなみに、Spotify側もどこかのタイミングで、これはヤバいと配信を停止したそうです。それ以降、この手の手法はSpotifyでは使えないそうです。愉快な事件。

音源からも感じるhappyさはVulfpeckのキャラそのものなんやなぁとすごいしっくりきてより親しみを持っちゃいました。ズブズブにハメられてます。

実際、PVとか見てもわかるんですけど、とにかくpeaceな雰囲気が常にあります。ホームビデオ感がイイ。

で、フワッとふざけてます。

セカンドアルバムに合わせてメンバーがひたすら踊ってるところをドローンで撮影。あんたたち、ほんとバカなんだからぁ。

とりあえず好きです。

Vulfpeck / Mr Finish Line

Vulfpeck / Mr Finish Line

TRACK LIST

  1. Birds of a Feather, We Rock Together (feat. Antwaun Stanley)
  2. Baby I Don’t Know Oh Oh (feat. Charles Jones)
  3. Mr. Finish Line (feat. Christine Hucal & Theo Katzman)
  4. Tee Time
  5. Running Away (feat. Joey Dosik, David T. Walker & James Gadson)
  6. Hero Town (feat. Michael Bland)
  7. Business Casual (feat. Coco O.)
  8. Vulf Pack
  9. Grandma (feat. Antwaun Stanley, David T. Walker & James Gadson)
  10. Captain Hook (feat. Baby Theo, Bootsy Collins & Mushy Kay)

とにかく聴きやすいので、あんまり難しく考えずにとりあえず聴いてみてください。1曲目の「Birds of a Feather, We Rock Together」から、気持ちよーく入れると思います。カッチョ良いベースにエレピとヴォーカルが最高に気持ち良いです。

他にも、FUNKバンドらしいまさにFunkな「Vulf Pack」、インスト曲「Here Town」があったり、laidbackできるしっとりsweetなAOR風味の曲「grandma」、全曲しっかりと色ののある良曲ばっかりです。

客演含め、メンバーも楽器も入れ替わり入れ替わり曲が続くので、とにかく楽しいアルバムに仕上がってます。デイヴィッド・T・ウォーカーにブーツィー・コリンズに客演もすごいことになってます。この2人の名前だけで聴いてみる十分な理由になるかと。

いつでもどこでも使える、お気に入りのアルバムになりそうです。

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